【在宅ケアサービス】その人らしさを大切に
2024-09-20
がん末期の A さん。積極的治療が難しくなり、緩和病棟に入られましたが、大好きな家に帰りたいとのご本人の強い思いに、ご家族も出来るものなら自宅で過ごさせてあげたいと、療養再開となりました。
痛みやしんどさが強くなり、清拭やおしめの交換も辛い状況で、モルヒネの注射を開始。
痛みやしんどさが強くなり、清拭やおしめの交換も辛い状況で、モルヒネの注射を開始。
ある日、日々介護する奥様から「お父さんお風呂好きだったんよ・・もう一度入れてあげたいけど、この状態だから無理よね・・」との言葉を聞き、ケアマネジャーに相談し、数日のうちに訪問入浴という形で実現。
準備をしている間はご本人もご家族も緊張した様子でしたが、お花の香りのお湯に浸かり、ご本人から「あー気持ちいい…」と笑顔がこぼれると、みんながホッとして冗談や笑い声も出て、とても和やかな時間になりました。
その後はモルヒネの影響があり、Aさんの意識は傾眠状態となる時間が増えましたが、連日親戚や友人が次々と集って思い出話に花を咲かせ、賑やかな時間を過ごされました。そして入浴から5日後に、Aさんはご家族と愛犬に見守られて旅立たれました。
最初は「自宅で看取るなんて怖くて無理」と不安を口にされていた奥様でしたが、「お父さんらしい最期が過ごせた。家に連れて帰って一緒に過ごせて良かった」と伝えてくださいました。
最初は「自宅で看取るなんて怖くて無理」と不安を口にされていた奥様でしたが、「お父さんらしい最期が過ごせた。家に連れて帰って一緒に過ごせて良かった」と伝えてくださいました。
様々な職種がチームとなってサポートすることで、Aさんの希望が叶い、奥様のAさんに対する思いが実現しました。私自身、訪問看護の意義やチーム連携の大切さを改めて学ばせて頂き、今後に活きる大切な関わりとなりました。
岡山訪問看護ステーション看護協会スタッフ